【キナバル登山①】マレーシア最高峰キナバル登山!ラバンラタ小屋まで

今回は、8月に登ったモンブランに続いて2度目の海外登山、マレーシア最高峰のキナバル山です!

10月の半ばということもあり、キナバル山が位置しているボルネオ島は雨季真っ只中。それでも熱帯雨林に来たからには、突然の雨や独特の湿気も楽しんでみたいと思い、この時期を選びました。あと、航空券が往復で8万円ほどと最も安い時期でしたので、リスクを承知でコタキナバルへ飛びました。

キナバル山は初めての海外登山として選ばれることも多く、いろんな国から登山客が訪れる人気の高い山です。

今回は、現地ガイドさんと一緒にキナバル山に臨んだ記録を2回に分けて残していきたいと思います。

目次

登山データ

活動時期時間歩行距離累積標高コース定数
2023年10月18日(2Days)13時間50分17.2km2,980m67

キナバル山へ入山

コタキナバル市内からおよそ1時間50分、公園の管理事務所で免責同意書を記入し提出します。スタッフの皆さんは笑顔で出迎えてくれて、かなり雰囲気がいいです。ここでIDカードの受け取りと、現地ガイドさんも紹介してもらい、いざスタート!

公園の管理事務所からマイクロバスでティンポホンゲートへ向かいます。ガイドさんが指さす先に地図やこの周辺の案内表示が細かく示されており、説明を受けます。

ゲートに入ると、チェックポイントがあります。IDカードを見せると通してくれます。

現在9時9分、この先からいよいよキナバル登山スタートです!

序盤は熱帯雨林のジャングルを階段を使って登っていきます。

この日は、ガイドさんは自分の後ろをついてくる形で山小屋まで登るそうです。キナバル山を登ってみて分かったのですが、登山道が非常に分かり易いうえに登りやすいので、山頂付近までは道迷いの心配が薄いです。

ゲートをスタートしてから、ずっと階段を登り続けています。ガイドさんに良い所を見せようと、割と早めのペースで登っており、「You’re good pace!!」とおだててくれるので更に足早になってしまいましたが、これがずっと続くと思うと、ペースをある程度セーブしないとマズいと思い直しました。

最初の休憩ポイント「Pondok Kandis」です。この時点では標高は1,980mほど、序盤も序盤です。

熱帯雨林を進んでいく中でも、少しずつ視界が開けてくる場所もあります。

序盤はかなりムシムシして大変でしたが、慣れればなんてことありません。

ゲートからの距離と標高を示す看板です。この先0.5kmごとに表示があります。

看板表示あり、休憩ポイントあり、登りやすい階段ありと、登山者にとっては至れり尽くせりの環境です。

9時49分、第二の休憩ポイント「Pondok Ubah」到着です。

休憩ポイントごとに水洗のお手洗いが設置されていて、いくつかベンチやテーブルも置いてあります。

階段の傾斜もそこまでしんどくなく、体力的にはまだまだ余裕があります。

これぞザ・ジャングルという感じの雰囲気です。まだあまり標高も高くないので、こういう場所は鬼のような湿気によって汗が噴き出してきます。

油断するとカメラのレンズも曇ってしまいます。

ひたすら階段を登ってきましたが、そろそろ景色に代わり映えが欲しいな・・・

と思っていたところ、登山道にも少し変化が出てきました。

熱帯雨林の山道

階段を登り続けると、いきなり開けた場所に出ました。それと同時に、さきほどまで晴れていた空が早い流れの雲に覆われ、真っ白になりました。この時期は天気が変わりやすいことを教えてもらったので、ザックカバーを装着し、いつ雨が降っても大丈夫なように備えます。

序盤のほうでは、割と整備の行き届いた階段が続いていましたが、ある程度上がってくると、階段が斜めになっていたり、思いっきり泥をかぶっていたりと、登りづらい階段になりがちです。下山で大変そうだな・・・と余計な心配をしてしまいます。

10時7分、ゲートから2キロの地点です。雨が降りそうで降らない状況ですが、かなり遠くのほうから「ゴロゴロ・・・」と雷鳴が聞こえます。

登山中、この動物によく出会います。「ボルネオカオナガリス」というこの辺の固有種で、人間をそんなに怖がるような様子はありません。むしろ、小休憩でモノを食べるときに、おこぼれを狙って近づいてきます。

10時15分、3つ目の休憩ポイント「Pondok Lowii」に到着です。

キナバル山は、全体的に階段と、ゆるい傾斜を登り続ける道になっていて、アップダウンは少ないので非常に登りやすいうえに、標高も順調に上げていると感じられます。

10時27分、ゲートから2.5キロの地点です。

0.5キロ進むごとに、だいたい100メートル標高が上がります。

ずーっと階段です。登山道では、むしろ普通の上り坂の方が少ないかもしれません。

それでも、ところどころに手すりが設置されているので、とことん登山者に配慮された道になっています。

道のりは長めですが、ペースを守ってゆっくり登ることを意識すれば、全然恐れることはありません。

10時39分、ゲートから3キロ地点に到着しました。まだまだ周囲は熱帯雨林の植物が逞しく咲いています。

疲れていると、同じような景色が無限に続いているように思ってしまいますが、立ち止まって深呼吸をすることで大自然を体感できます。

ちょっとずつ曇りはじめ、登山道も薄霧に包まれることが多くなりました。

雨の気配が近いです。

11時24分、大休止ポイントの「Pondok Layang」です。

登山前に公園の管理事務所で昼食を貰うのですが、ここで食べることになっています。

休憩がてら色々写真を撮ろうとした矢先、ものすごい雨が降ってきてしまったので、昼食を済ませてしばらく待機せざるを得ない状況となりました。

まだまだ続く小屋までの道のり

凄まじい雨は一時的なもので、15分ほどで落ち着きました。「Pondok Layang」を出発し、すぐにゲートから4キロの看板を発見。ゲートからの標高差は900メートルほどで、小屋まではあと320メートルほどの標高を稼ぐ必要があります。

大休止後なので、意外と余裕に思えてペースが上がりまくりです。ガイドさんは、それを止める様子もなく付いてきてくれます。

道中に、建設中?改築中?の小屋があります。そして、ラバンラタ小屋まで残り2キロ。長いような短いような・・・

ガイドさんが、「見ろ見ろ!」と指をさした先に、ウツボカズラがありました。

実は初めてウツボカズラを実際に見ましたが、こんな多様性に富んだジャングルの中でも、とんでもない存在感があります。

12時7分、ゲートから4.5キロまで来ました。この標高は、笠ヶ岳を思い出しますね。

雨が降った直後なので、滑りやすいポイントも増えています。こういった岩は非常に滑りやすく、岩のゴツゴツした部分に足を引っかけるように登ることで転倒は回避できますが、そこそこ体力を使います。雨が降ってしまうと、岩を超えるのにも一苦労です。

12時20分、「Pondok Vilosa」に到着です。割と早いペースで登っているので、誰もいません。置いてあるのは自分とガイドさんのザックです。

自分が割と早めのページで歩いているのに、ガイドさんも全然余裕で登っています。やはり現地ガイドさんは別格だと実感しました。しかもスニーカーで登っているので笑うしかありません。

休憩ポイントには、このように植生や動物を紹介する案内板が設置されています。

主に英語で書かれています。この辺りの第一言語はマレー語で、マレー語も英語と同じくアルファベット表記なのですが、全く意味が理解できず、読めません。

12時26分、ゲートから5キロ地点で標高3,000メートルを超えました。極端に傾斜がきつい箇所がないので、距離や標高の割に余力を持った登山ができます。もちろんペースを守って焦らずに登っていきましょう。

空はすっかり真っ白になっています。「Pondok Layang」でドカンと降ったあとは、雨は降っていません。

雨の登山もなかなか乙ですが、じめじめとした暑さが増すので、次に降る前に早く小屋に駆け込みたい気持ちで一杯です。

小屋まで残り700メートルの看板があります。ラストスパートを感じさせ、気持ちが逸ります。

ここからは100メートルごとに、小屋までの距離を示す看板が設置されています。

小屋までの間にある最後の休憩ポイント「Pondok Paka」です。現在12時39分、結構早いペースで来たので、誰もいません。

ここまで来ればあと僅か、十分に休息をとっていきましょう。

小屋までの最終版は、傾斜がかなり落ち着いていていますが、道幅は少し狭いです。

明日もそうですが、この辺ですれ違うケースはあまりないですね。小屋のチェックアウト時間は10時までですが、10時までにゲートからここまで来ることは相当難しいので。

あと500メートル、標高も3,137メートルまで来ました。

ゆっくりとはいえないペースですが、急登がなく一気に標高を上げることがなかったからか、高山病の症状はありません。

小屋まで残り300メートル、この辺から不揃いの石が敷き詰められ、小屋へのアプローチのような道になっていきます。

さあ、小屋はもうすぐそこです。雨が降りそうで降らない状況だったので、カンカンの暑さにはならなかったものの、熱帯雨林特有のじめじめとした暑さで汗だくになりました。アンダーシャツなどは3枚くらい持っておいた方が安心できます。

13時8分、小屋直前の広場につきました。ここまで来れば小屋についたも同然です。

マレーシア国旗と、サバ州の旗が掲げられています。

あれが、今回宿泊するラバンラタ小屋です。基本的にはマレーシア国籍ではない外国の方向けの宿泊施設となっています。そのためガイドさんも別の小屋に移動する形になります。外からみると、結構大きめの施設で清潔感もありますね。

ラバンラタ小屋に到着

玄関を入ると、こんな感じでいきなり食堂があります。定員は50名程度で、人が一杯で座れない・・ということはありません。自分が来たときは、未だほぼスタッフの方しかいませんでした。

そして、食堂とは反対側に受付があります。ガイドさんは受付まで来てくれます。そして明日の集合時間を打ち合わせたあとに、別の小屋に移動していきました。

受付では、鍵を受け取ったあとに小屋の説明を受けます。スタッフから、食堂が空く時間、鍵の管理、明日の朝食について、チェックアウト時間についてを、英語で伝えていただけます。特に会話などは発生せず、なんとなく内容が理解できれば「OK!」と言えば問題ありません。

部屋は、2階にあります。こんな感じのベッドが、4つ~8つ置かれた部屋です。

今回4人部屋に案内されましたが、最終的に部屋に来たのはヨーロッパ系の男性1人と自分の2名だけでした。

ここで明日の整理を行います。公園の管理事務所で渡されたこのIDカードは、何があっても忘れたり無くしたりするわけにはいきません。これが無いと登頂できないので、肌身離さず持っておく必要があります。

キナバル山の地図が食堂に大きく掛けられています。

この地図がキーホルダーとかTシャツになったグッズがあれば欲しくなるほどポップで味がある地図ですね。

16時から夕食が開始となります。ビュッフェ形式で、皿に好きなものをよそってもらうスタイルとなります。

炭水化物と、野菜が多めになっていてエネルギーがつきます。焼きそばのようなものが何種類か大量に用意されていました。

夕食後、しばらく小屋からの景色を見ていましたが、外は雲にまみれて幻想的です。

少し晴れることもありましたが、このぐらいが限界で頂上のほうは全然見えません。

上の方の様子は、今日はお預けですが明日への楽しみとしてとっておきます。

ちなみに小屋内の電波はバリバリに届くときと、全然届かなくなるときがあり運任せです。小屋で時間を持て余したので、オフラインでも楽しめる電子書籍などを入れていくと良いかもしれません。

明日は早い時間から山頂に向けてアタック。消灯は19時なので、それまでに準備を整え早々に床につきます。

なお、夜は結構冷え込むので、ミドルレイヤー2枚のうえにダウンなどを着込んで寝ましょう。

寝ることが最大の準備なので、ヘッドライトを横に置いて、少しでも早く休んで万全の状態で明日を迎えましょう!

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