【日帰り登山】紅葉の杓子山 手軽に雄大な富士山を望むパノラマポイント

秋も次第に深まってきて、ようやく残暑も気にならなくなってきた頃、今回は手軽に富士山を拝める絶景ポイントとして、杓子山へ向かいました。杓子山は、富士山を見るうえでは知る人ぞ知る最高のポイントで、老若男女問わず、嫌いな人はいないんじゃないかと思うほど条件のいい山です。

今回は駅から登山ということで、富士急行線の下吉田駅から、バスなどを使わずに登頂し、下吉田駅へ下山するルートで山行を行いました。

目次

登山データ

活動時期時間歩行距離累積標高コース定数
2023年11月1日(1Day)4時間27分17.1km923m28

下吉田駅から杓子山登山道へ

7時44分、富士急行線で下吉田駅に到着。富士急行線は、河口湖駅をはじめ人気の高い駅が終点の方に固まっていることもあり、ここで降りる人は殆どいませんでした。しかも平日なので、かなり静かな雰囲気です。

正面から見た駅舎です。朝靄がかかっていて、かなりひんやりとした感覚です。

ちなみに富士急行線はSuicaを使えるので、切符を購入したり、途中の駅で改札を降りたりする必要がありません。

富士山がものすごいダイナミックに見える場所がありました。

下吉田駅から歩いて向かう途中、存在感のある富士山の威容が、至る所で見られます。

進んでいるうちに、朝靄が晴れて気温が上がってきました。

下吉田駅から杓子山の登山口へ向かう途中で一番大きな道路です。ここで右側を見ると・・・

快晴の空に富士山がドーンと鎮座しています。

もし運転中だったら、この景色に見とれてしまうので、ある意味事故率が高そうな道です。

登山口が近づいてくると、杓子山までの看板があります。

山道の看板で「〇〇まで5km」などと書いてあると相当長い距離に感じますが、ここでは平地を含めた距離の看板なので、そこまで脅威は感じません。

市街地を抜け、少しずつ山道に近づいてきました。車も通れますが、この通り道狭し。

ノスタルジックな雰囲気の場所に、富士山が浮かんでいて思わず足を止めてしまいました。

こういう景色をゆっくり見れるのも、歩いて登山道に向かうことの醍醐味です。

杓子山の案内図があります。頂上からの写真も載っていて景色のネタバレを喰らいましたが、これを見せられたら期待が高まってしまいます。

ゆるやかな坂道の車道を登っていくと、旅館「不動湯」があります。

その名の通り温泉があり、特にアトピーなど皮膚に関する効能に定評があるとのこと。

さらに上に登っていくと、杓子山登山専用の駐車場があります。ただ、ここでは3~4台しか駐車できないので、一杯だった場合は来た道を戻って駐車する必要があります。

採木場?の間を通って、登山口に向かいます。平日だと、時間によっては作業員の方がショベルカーなどを使って作業をされている場合がありますが、基本的には通行可能です。

この山はトレイルランニングにもうってつけで、このような看板が高い頻度で設置されています。

ここからの富士山も格別で、空の色と雪をかぶった富士山、更には色づいた木々や作業場の土の色も含めて、すべてのコントラストが見事です。

午前中は、このように澄んだ景色が見られますが、時間がたつにつれて富士山に雲がかかりがちになるので、少しだけペースを上げて登山口へ向かいます。

杓子山の登山口から杓子山山頂へ

登山口へ到着しました。杓子山へ向かう道が二手に分かれています。

左の道が、健脚の方向けの道で、右側の道は、比較的易しめの道となっております。今回は、登りでは左の健脚向けルートで向かい、下山で易しめの道を使おうと思います。

いきなり「健脚者のみトライ」の看板があります(奥にも同じような看板がありますね)。

なお、地図では破線ルートにはなっておらず、あくまで一般ルートの範疇となっております。

序盤は比較的歩きやすく、傾斜もそこまで急ではありません。

一方、この季節は落葉が多いため、葉っぱに足を滑らせてしまうことがあります。下山では特に注意が必要ですね。

道中、こんな感じで順路を示す看板がいくつか見られます。

全体を通して、看板の多さや、道がそれほど複雑でないことから、同じ1,000mくらいの山道の中では、道迷いの心配は薄いと思います。それよりも葉を踏むことによる転倒の心配の方が大きいです。

登山口から10分程進むと、つづら折りの道になり少しずつ傾斜もきつくなっていきます。

この辺りはまだ序盤、息を切らさないようにペースを守って進んでいきましょう。

登山中、ところどころで富士山が良く見える展望ポイントがあります。

木々の彩りと共に富士山の雄々しき姿を見て、癒されます。これだけでも120点の絶景で満足しました。

富士山を横目にどんどん進んでいきます。看板や滑落防止のロープまで張られていて、健脚者向けのルートながらも、結構親切な登山道です。

展望ポイントは何か所もあります。

富士山が見えると絶対に足が止まっちゃいますね。ただ、東の方向から徐々に富士山に雲がかかっています。

これだけ晴れていても、午後には富士山が雲に隠れてしまうことが多いので、少しペースを上げて山頂へ向かいます。

登山口から25分程歩いてきました。傾斜がきつくなってくると共に、足元が落ち葉だらけで滑ります。

登りはまだしも、ストックなどがなければ下山には全くおススメできない道となっています。

きつい斜面と、ゆるやかな斜面が交互に来るような登山道です。

落ち葉の多さで道が滑りやすいことも相まって、確かに健脚者向けのルートですね。

なかなかの傾斜です。道迷いや滑落を防ぐためのロープが巻かれています。これが非常に有難い。

もし、これ以上落葉が多くロープも無かった場合は、かなり道迷いの心配が増してしまうので、かなり登山者に寄り添った道だなと実感しました。

きつい坂を登ったご褒美と言わんばかりに、ビューポイントが要所で現れます。

景色が拝めるポイントには、丁寧に看板が設置されており若干スペースもあるので、休憩にもうってつけのポイントです。

急登は随所に現れますが、長くは続かないので、ゆっくり登っていきましょう。

終始滑りやすいので、ストックがあると尚良しです。

さあ、頂上はもう目の前です。

すでに写真などで、頂上からどんな景色が見られるのかは知っているものの、どんな風に景色が視界に広がるのかは分かりません。それを体感できるのが、山頂に辿り着いた者の特権であり、山登りをしていて最も達成感を感じる瞬間です。

見えました、杓子山の山頂です。

テーブルとベンチが置いてあり、絶好の休憩ポイントであると同時に、最高の景色が拝める絶景スポットとなっています。

この時間、誰もおらず山頂を独り占めできる!と思い、期待しながら視線を右側に移した瞬間、それはそれは素晴らしい光景が広がっていました。

杓子山山頂からの大パノラマ

10時16分、杓子山山頂に登頂。

眼下に広がる富士吉田市、目の前の色づいた木々や葉、そして壮大な富士山の姿、情報量の多い絶景に圧倒されました。

杓子山といえば、この「天空の鐘」が有名ですね。

晴れた空と富士山に、鐘とセンスが光る看板が映えています。

ここから富士吉田市を一望できます。語彙がふっとぶ位の素晴らしい絶景です。

手軽にこんな絶景が拝めると知ってしまったので、間違いなくリピートしてしまう山です。

今回は平日であることも相まって、誰もいません。

かなり居心地がよく、最高の景色を前にして、ゆっくりと時間が過ぎていきます。

山頂は無風で本当に心休まる風景を堪能し、帰路を進む準備をします。

杓子山から下吉田駅へ下山

帰りは、いわゆる健脚者向けコースではなく、山頂から南方向に下山していきます。

富士山にも徐々に雲がかかってきました。山中湖もしっかり見えます。これを見ながら下山できるのは幸せですね。

こちらの道は、健脚者向けルートと比べるとかなり傾斜もゆるやかで、比較的安全に下山することができます。

明見尾根と異なり、落ち葉もあまり気にならないので、ファミリーや体力に不安のある方にもおススメのルートです。

下山中にマムシグサが生えていました。特徴的な赤い実が目立つ面白い植物ですが、有毒なので触ってはいけません。

山頂から15分ほど下ると、ハンググライダーの離陸場があります。

ちなみに、この登山道も含めてGoogleマップのストリートビューで全部確認することができます。

しばらく一本道を下ると分岐があり、さらに傾斜がゆるやかになります。

進んでいい道を示す矢印が地面に書いてあるので、その通りに進んでいきます。

舗装された道が出てきました。富士山は完全に雲に隠れてしまっています。

また、健脚者向けルートでは誰ともすれ違いませんでしたが、こちらのルートでは数名の登山者とすれ違いました。

こっちの道のほうがポピュラーな印象です。

山頂から35分ほど、ゲートに辿り着きました。ベンチも置いてあり、道幅もかなり広いです。

こちらのルートでは、ハイキングに近い感覚で山頂まで登ることが出来るのが良いですね。

ゲートから、登山口付近で見た採木場?に向かうのですが、進んではいけない道には地面に大きく「×」の印が書かれています。

好奇心で見に行きたい所ですが、危険個所だったらと思うと、近づくわけにはいきません。

11時10分、登りのときにも通った、健脚者向けルートとの分岐点に着きました。

体力に自信のある方は、登りは明見尾根、下山は南側のルートで山行を終えることをおススメしたいです。下山の明見尾根は、本当に滑ると思います。

11月初旬、紅葉真っ盛りの時期なので、道中もこんな素晴らしい色づきの紅葉が見られます。

横に駐車できるスペースもあり、山に登らずともこれだけ素敵な光景に出会えるので、気軽に寄ってみるのもいいかもしれません。

帰りも、下吉田駅まで徒歩で向かいます。

この一日は天気も崩れることはなく、風もほとんどなかったため絶好の登山日和となりました。

12時14分、下吉田駅に到着しました。朝とは打って変わって駅舎は外国人の方を中心に賑わっており、駅員さんもお客様の方々の応対に追われている状態となっていました。

杓子山は、富士山を望む絶景ポイントであるところ、登りやすいところ、山頂の鐘がオシャレで写真映えするところなど、様々な魅力がある美しい山でしたが、体力的に自身の無い方でも登りやすく、体力に自信のある方でも満足できるルートとなっており、夢中で登れる素敵な山でした。

この季節に登れたのは本当に良かったですし、また別の季節ではどんな景色が見られるのか、どんな登山になるのかが気になってきました。「また登りたい!」と思える、好奇心を奮い立たせてくれる山でした。

コースタイム

2023年11月1日

7:44 下吉田駅発

9:08 杓子山登山口(登り)

10:16 杓子山山頂着

10:25 杓子山山頂発

10:40 ハンググライダー離陸場

11:10 杓子山登山口(下り)

12:14 下吉田駅着

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