【ゴーキョ・ピーク④】エベレスト街道をたどりゴーキョ・ピークへ ルクラへの帰還

前回無事にゴーキョ・ピークへ登頂し、エベレストをはじめ4座の8,000メートル峰を仰ぎ見ることができました。

ですが、登山では登りよりも下りの方が事故が起こりやすく、油断は禁物。ドーレからナムチェ、そしてナムチェから1日でルクラまで下ります。

今回の山行をアメイジングな記憶に残すためにも、無事にルクラへ向かう道程を記していきます。

目次

ドーレからナムチェまでの帰路

帰路についている途中ですが、振り返るとチョ・オユーが見えます。

ものすごい絶景ですが、ずっとこのような景色が続いているので、これが普通なんだと思い込んでしまいます。

これほど幸せなことはあまり経験できません。

ヤクが歩いてきました。ヤクは標高4,000メートル以上のところでよく見られます。

立派な角と、少し長めの毛並みが特徴で、黙々と荷物を運んでいます。

逆に、それより低い標高のところはゾッキョや馬が荷物を運搬してくれます。

遠くにポルツェの家々、さらに奥には雲の向こうに6,000メートル峰のカンテガやタムセルクが聳えています。

山肌に沿って続く道の先に、ドーレがあります。

ドーレで一泊し、7時3分に出発、ナムチェへ向かいます。

まずはポルツェ・テンガまで下り、そこからモン・ラまで登り返します。この登りが割とつらく、300メートルほど登ることとなります。

下っている最中は、次の登りのことを考えてしまいます。下りでは葉っぱや細かい砂を踏んで滑る危険があるので、膝に多少負担がかかります。

下の方から川の音が近づいてきました。

ごくまれに、草むらのほうからガサガサと音が聞こえますが、音の正体は、ほとんどが鹿です。

8時13分、ポルツェ・テンガまで降りてきました。

ここまではゆったりとした下りだったので問題ありません。ここでしっかり休憩をとり、モン・ラまでの登りに備えます。

モン・ラまでの登りは、ものすごく急な登りというわけではないものの、高度4,000メートル付近で緩い登りが長く続くので、体力は想像以上に消費します。

丹沢のバカ尾根をひたすら登っているような感覚です。

向こうにポルツェが見えます。標高は4,000メートルに少し足らない程度なので、あれを見ながら今どれくらい登ったのかの指標にしています。

9時24分、モン・ラに到着。まだナムチェまで距離があるので、ここで疲れ果てる訳にはいきません。

かなりゆっくり登ってきましたが、細かく休憩をとりながら再び標高4,000メートルを超えました。

モン・ラからナムチェまでの行程は下りが中心なので、体力的負担は少なくなります。

ただし、画像のようなクムジュンへ向かう分岐や、カラパタールへ向かう分岐が存在するので、誤ってそっちの方向にいかないように注意が必要です。

10時30分、キャンヅマで休息をとります。奥にはローツェが見える、絶好の展望台です。

ここでは、カラパタールへ向かう人も大勢いるので、かなり賑やかになります。ここで暫し休憩し、ナムチェまで進みます。

ほとんど平坦な道を進んできました。ナムチェはもう目の前です。

昼をすぎると、高い山には雲が続々と上がっていきます。

12時5分、ナムチェに戻ってきました。ポルツェ・テンガからモン・ラまでの道が少々上り坂でハードですが、それ以外の道は、これまでの行程に比べれば易しめとなっています。

余裕があるので、ナムチェをいろいろと見て回ります。

ナムチェをうろうろしていると、日本食のレストランがありました。すでに腹が一杯だったので寄ることができなかったのですが、次回来た時の楽しみにとっておきます。

ナムチェからルクラへ

ナムチェの朝8時前、ほとんど人がいない街並みを歩いて、ナムチェを出ます。

昼時は活気があって歩いていて楽しいものですが、朝の誰もいないナムチェは淋しさを感じます。

ナムチェから40分~50分ほど下ると、エベレストが見える休憩ポイントです。

ゴミ箱とトイレもあるので、いったん休憩しましょう。この時間であれば、登りの方々と合流することはほとんどありません。

ナムチェ~ルクラ間でお馴染みの、鉄の橋です。登りのときは、好奇心とワクワク感のおかげで楽しさしか感じませんでしたが、冷静に渡ってみると、高度感と揺れで恐怖を感じます。

橋の床も、ちょうどスマホがすっぽり入り落ちてしまいそうな隙間が開いているので、橋を渡っている最中のスマホ操作は控えるべきです。

モンジョ付近まで下れば、ロッジなどが多く立ち並ぶエリアになるので、水や食料の心配は必要なくなります。

コカ・コーラなんかは殆どのロッジで売っているのを見かけるのですが、お茶やスポーツドリンクの類は全然見当たりません。

ナムチェからガートまで下ったら、そこからルクラまではゆるやかな登りが中心の道となります。

最後の最後でルクラまで400メートル弱の登りとなるうえ、昼をすぎて気温もちょっとずつ上がり始めました。汗だくで参っている外国の観光客の方がちらほら・・・。

さあ、1日目でも見た事務所まで着きました。登りの時よりもスムーズに手続きが済んだので、休憩する暇もなくルクラまで進んでいきます。

ルクラといえば、この商店エリア!

帰ってきた・・・という感覚を感じます。土産品は、主にエベレストやヒマラヤに関するグッズが多く、ほかにも正規品ではないかもしれませんが、クライミング用の装備も調達できます。

いよいよルクラ空港から帰路のフライトです。帰るパタールは2種類あり、ひとつはカトマンズのトリブバン国際空港まで飛ぶパターン。もうひとつは、ここから南西方向にあるラメチャップの空港に飛んで、そこからマイクロバスのようなものでカトマンズまで運んでもらうパターンです。

最近は、カトマンズの空港が国際線を優先して運航することを重視していることからか、ラメチャップへ行くパターンが多くなっているようです。

空港内で搭乗の手続きを行います。シーズン中ともなると、中は観光客の方々でごった返しています。

荷物にタグをつけてもらい、簡単な身体検査を経て搭乗口の方へ進みます。

搭乗口へ続く待合室です。お手洗いと、画像には映っていないですがカフェが併設されています。

飛行機は時間通りに飛ばないケースが大半なので、ここでしばらく待ちます。

室内にはヒマラヤの壮観なパノラマ写真がいくつも飾られているので、思い出を振り返りながらゆっくり待ちましょう。

午前10時25分、当初の予定より1時間遅れで、飛行機が来ました。

9日間の山旅も、これで終わりとなります。名残惜しい気持ちが山々ですが、終わってみると本当に楽しかったと言い切れる時間でした。

振り返る時間もなく、飛行機に乗ったらすぐに出発してしまい、ルクラを後にしました。

旅路を振り返って

今回ネパールに初めて足を踏み入れ、治安や食事が合うかどうか、細かいことをいろいろと気にしながら旅路をスタートしましたが、全ての心配が吹き飛ぶようなヒマラヤのスケール感、そして現地の方々の優しさに触れたことで、自分は間違いなく再びネパールに訪れると思いました。

それくらい想像を超えたことが次々と起きたので、ぜひ素晴らしい風景や雄大なトレッキングに興味のある方は、一度ネパールに訪れてみることをおススメします。

唯一の反省は、手が著しく汚れます。そんな手で目をこすったことで激痛が走り涙が出たので、次回は石鹸を持って再びネパールに行くべきだと学びを得ました。

コースタイム

11月16日

6:10 トリブバン国際空港着

9:50 トリブバン国際空港発(ルクラへフライト)

10:21 ルクラ空港着

10:45 Pasang Lhamu Gate

11:25 ガート着

12:05 ガート発

14:00 パクディン着

11月17日

7:00 パクディン発

8:30 Sagarmatha National Park Jorsalle Entrance Gate

9:48 ジョルサレ

13:04 Topdanda view point

13:50 Community Police Check Post

14:05 ナムチェ着

11月18日

7:00 ナムチェ発

8:32 カラパタール・ゴーキョ分岐

10:00 モン・ラ

10:48 ポルツェ・テンガ着

12:05 ポルツェ・テンガ発

13:28 ドーレ着

11月19日

8:07 ドーレ発

10:17 ルザ

10:52 マッチェルモ着

11月20日

8:00 マッチェルモ発

10:45 ゴーキョ湖1

11:17 ゴーキョ湖2

11:33 ゴーキョ着

11月21日

3:00 ゴーキョ発(ゴーキョ・ピークへ)

5:20 ゴーキョ・ピーク登頂

7:00 ゴーキョ・ピーク発

7:47 ゴーキョ着

8:45 ゴーキョ発(ドーレへ)

11:35 ドーレ着

11月22日

7:03 ドーレ発

8:13 ポルツェ・テンガ

9:24 モン・ラ

10:30 キャンヅマ

12:05 ナムチェ

11月23日

7:05 ナムチェ発

7:12 Community Police Check Post

7:52 Topdanda view point

9:33 ジョルサレ

11:24 パクディン

14:55 Pasang Lhamu Gate

15:05 ルクラ着

11月24日

10:25 ルクラ空港発

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