東京都の奥多摩エリアには、数え切れないほどの名峰が鎮座しています。その中でもアクセスの良さと登頂難易度の手軽さから人気の高い三頭山へ向かいました。
今回は、奥多摩駅からバスで深山橋バス停へ行き、そこから三頭山ピストンというルートで登ります。奥多摩は秋~冬にかけて訪れることが多いですが、完全に落葉し切ったこの時期の登山は想像以上に大変な道のりでした。
登山データ
活動時期 | 時間 | 歩行距離 | 累積標高 | コース定数 |
2023年12月20日(1Day) | 4時間15分 | 10.0km | 1,157m | 27 |
奥多摩駅から登山口へ
12月20日、7時40分に奥多摩駅から西東京バスに乗り、深山橋へ向かいます。
奥多摩駅正面の2番乗り場、小菅の湯行きのバスです。
バスに揺られ、およそ30分で深山橋に到着。
奥の橋は三頭橋で、あれも渡って登山口へ行きます。
奥多摩湖は東西に長い湖で、いくつか橋が架かっています。ただ、浮橋が多く通れないことが多々あるので、この三頭橋のようなしっかりした橋を渡ることを計画に入れる必要があります。
ここから少し東のほうに麦山浮橋があるのですが、今は渡れませんでした。
8時20分、橋を渡り切ると、すぐに登山口です。
そして浮橋は通行止めでした。通行止めの紙が2つもかかっている看板はなかなかお目にかかれるものではありません。
ヌカザス山までの道のり
登山口から登り始めると、ずっとこんな感じの地面です。注意しないと道がすぐに分からなくなりそうな状況となっていて、冬の落葉しきった季節ならではの登山道となっております。
まだ登り始めて5分ちょっとですが、看板があります。
奥多摩エリアは、道案内の看板が他のエリアよりも細かく配置されているイメージがあるので、有難い限りです。
多少の倒木はありますが、道が少し分かり易くなってきました。
これなら全然いけるかも!と思っていた矢先・・・
1分ほど歩いたらこんな道になっていました。なんと膝の高さまで落ち葉が積み重なっています。
落ち葉をかきわけて歩いても、全く地面が見えないほど大量に葉があります。
ただ、どんなに積み重なっても葉っぱに重さがないので足取りは軽いです。
登山口から20分程登ってきました。下を見ると、先ほど通った深山橋が見えます。
登山道に目を移すと、葉をかきわけて登った跡がしっかり残っていて、どんな風に登ったかが一目で確認できます。
葉っぱに交じって小石が紛れていることがあるので、気になる方はゲイタースパッツがあると更に快適に登ることができます。
ひとまず最初の深い葉っぱゾーンは超えました。今のところ、傾斜はそこまで急ではないです。
ただ、後々あの葉っぱたちに苦しめられることになるな・・・と、既にこの時点で薄々感じていました。
登りはまだまだ続きます。このあたりは割と登りやすく、ついついペースが上がってしまいます。
9時5分、山の斜面から日が登ってきました。日が昇ると一気に気温が上がったように感じます。
ものすごく年季の入った看板です。中段と下段は、もはや何が書いてあるのか全く読めません。
周りの木の様子も、どこか薄淋しくなっている気がします。
登山開始から1時間が過ぎました。この登りの先に、ヌカザス山との分岐があります。
思ったよりも斜度があるので、主に下りでロープが役に立ちます。
9時31分、標高1,175メートルのヌカザス山に登頂です。
三頭山までの中腹に位置しており、周りが木々に囲まれているため展望はあまりないです。
どうやら「糠指山」でヌカザス山と読むようです。
ここで少しだけ休憩し、三頭山の山頂を目指します。ここからが本番なので、軽くストレッチをしたり再度念入りに地図を確認したりと、準備は抜かりなく整えていきます。
落ち葉にもたつく三頭山の急登
ヌカザス山を後にし、ここから1時間くらいで三頭山の山頂を目指します。
地味に東側は落ち葉が重なっているため滑りやすく、滑落することもあり得るので慎重に歩きます。
落ち葉の多さに気を取られ続けていますが、ここから先が鬼のような落ち葉ゾーンとなっていました。
不気味な「通行注意 Caution!」の紙が木に括り付けられています。視線の先には・・・
こんな歩きにくそうな道が目の前に広がっていました。見た目以上に斜度があるため、下山のときはかなり苦戦することとなるでしょう。
登りですら葉っぱで滑りまくってしまったので、下りではストックを使いながら極めて慎重に降りることが必須です。
この看板は読みにくいどころか、もはや読めません。
さっきの錆びた看板といい、この辺のエリアはかなり年季の入った看板が多いですね。
さっきの「通行注意」の葉っぱゾーンを超えてしまえば、特段登りづらい場所はありません。
日も高くなりましたが、冬なので汗だくになることはなく快適!奥多摩エリアは秋冬に登りたくなります。
頂上が近づくと、岩の間を縫うように道が開いています。
葉っぱが岩の間に敷き詰められていて、非常に滑ってしまいます。岩に手をかけながらゆっくり登りましょう。
ゆるやかな登りを経て、広いところに出ました。
これが三頭山の山頂です。この日は登りで誰ともすれ違いませんでした。
10時30分、三頭山(1,524メートル)登頂です。なお、ここは西峰となっており、中央峰が三頭山の最高峰なのでさらに移動します。
なお、西峰からは富士山がはっきりと見えます。
日本一の秀峰は、どこから見ても独特の美しさと存在感があり、目を引きます。
さきほどの西峰から3分くらい歩けば中央峰(1,531メートル)です。
ここが三頭山の最高峰ですが、展望は西峰の方が開けています。
なお、中央峰から1分くらいで東峰(1,527メートル)があり、そのさらに東に、展望台のような場所があります。
展望台からは、主に御岳山や大岳山が見えます。その奥は青梅の方です。
穏やかな美景が広がっており、心落ち着くひと時です。
ここでしばらくゆっくりしたのち、登ってきた道を下山します。ただ、登ってきて分かりましたが下山は結構大変な道のりとなりそうです。
危険な下山の路
さあ、十分三頭山の光景を堪能したので下山します。
下山は慎重に行かなくてはいけません。転倒はなるべく避けるべきですが、いつ転んでも大丈夫なようにストックをフル活用します。
これが下山で苦しんだ大量の葉っぱです。
地面に対して垂直に足を下ろしたとしても、足がズボッとはまっていく上に常時滑るので一瞬も油断できません。
登りの時よりゆっくりなペースで転ばないように下山していきます。
大量の葉っぱゾーンを無事に下り、木々の間から深山橋が見えるポイントに戻ってきました。
転倒リスクは夏に比べて5倍くらい高くなるので、滑り止めとしてチェーンスパイクを携行しておくと良いかもしれません。
登山口近くに戻ってきましたが、「丸山尾根」という看板がありました。
車で三頭山に行こうとすると、人によっては物足りない・・・と感じるかもしれませんが、この尾根を伝って登山をすれば、なかなか手ごたえのある登山ができます。
12時28分、登山口まで戻ってきました。結局、この日は誰ともすれ違わずに登山を終えることとなりました。
それでも、想像以上に楽しい山行となり、また別の季節に来てみたいと思うような山です。
帰りは、深山橋バス停からバスに乗ってもよかったのですが、バスの時間が合わなかったので奥多摩湖のバス停まで歩いて向かいます。
奥多摩湖をのんびり眺めながら歩くのも、登山とは違う楽しさを味わえます。
13時58分、奥多摩湖バス停まで歩いてきました。トンネルがいくつもあるので、お世辞にも歩きやすいとは言えなかったのですが、奥多摩湖の綺麗な水に癒されながら歩けたので、満足度は非常に高くなりました。
この後はここでバスに乗り、奥多摩駅への帰路につきました。
三頭山は奥多摩エリアの中でも名が知られていますが、まだ登ったことがなかったため、冬のこの時期にはじめて登頂しました。葉っぱのおかげで、思ったよりも大変な道のりとなりましたが、静かな山登りを堪能することができ、山眠る冬ならではの趣を感じる山行となりました。
さすがに同じ季節にまた登ろうとすると大変なルートなので、落葉していない季節を選んで再度登ってみたいと思う山ですね。
12月20日
7:40 奥多摩駅バス停
8:10 深山橋バス停
8:20 三頭山登山口
9:31 ヌカザス山
10:30 三頭山(西峰)
10:39 三頭山(中央峰)
10:40 三頭山(東峰)
11:02 ヌカザス山分岐
12:20 三頭山登山口
13:58 奥多摩湖バス停