前回、キリマンジャロにマラングルートから入山し、マンダラハットまでの道を記録していきました。
どうやら天気は今後も良くないとのことで、天候が安定しやすい午前中を中心に、頑張ってホロンボハットまで向かいます。
キリマンジャロ登山2日目、まだまだ全然元気ですが、ここからは高山病のことも視野に入れる必要があります。
ここまでは、深い樹林帯をじっくり進んでいきましたが、地図を見る限り樹林帯を抜けて新しい景色が見られそうな感じだったので、楽しみを抱えながら張り切ってスタートです。
マンダラハットからスタート(昼休憩ポイントまで)
1月20日、午前6時半にダイニングへ。ポーターさんが朝食を用意してくれます。
朝はこの標高でも十分冷え込みが強く、ダウンを着用している方が大半です。
朝食はこのようにボリュームたっぷりで美味しそうなラインナップになっています。
全部食べられなくても、残ったものはポーターさんたちで処理してくれるとのことなので、無理はしないように食べましょう。
午前7時28分、マンダラハットをスタートします。
今日は朝から全然日が出ておらず、間違いなく雨が降るので、レインウェアとザックカバーを装着した状態でスタートします。
昨日降った雨の影響で、地面はかなりぬかるんでいます。斜面じゃないのでまだマシですが、かなり滑ります。
晴れているように見えますが、空模様は目まぐるしく変わります。遠くの方で雷鳴が聞こえてきました。
ちょっと歩くと、天気はこのように暗い雲がかかって雨が降り始めてきました。
この辺から背の低い植物が目立ち始め、もし晴れていれば遠くまで見通せるような風景に変わってきました。
とても歩きやすい道に変わりましたが、時折強い風が吹きます。
少し曇っていますが、非常に見晴らしがよく、思わず足を止めて見入ってしまいます。
雨は過ぎ去り、青空も見えてくるようになりました。
見る景色が次々と変化するので、この先に何が待っているのだろう、どんな風景が見えるのだろう、と楽しみが段々広がっていきます。
昨日もそうでしたが、ずっと平坦な道が山肌に沿ってずっと続いています。
もっと荒々しい風景を想像していましたが、緑が生い茂っており見ていて飽きることがありません。
植物が一面に広がっています。その奥に下界が見えますが、あちらの標高は700メートルくらいです。
いかにキリマンジャロが巨大な山か、思い知らされますね。
この橋が、マンダラハットとホロンボハットのだいたい中間ポイントとなっています。
この時点で9時50分、結構早いペースで登ってきています。
10時17分、この緑色の屋根の建物が昼休憩ポイントです。ここで、ガイドさんに持ってきてもらったお弁当を貰います。中身は、前日のマンダラハットまで向かった時の内容とほぼ同じです。
ちなみに、向こうに見えるもう一つの建物はトイレですが、いろんな意味で想像を絶していました。あそこで用を足す場合には覚悟した方がいいでしょう。
雨が降りそうな環境は変わらないので、あまりゆっくりせずに20分くらいで出発し、ホロンボハットまでの後半戦に向かいます。
ホロンボハットまでの道
10時40分、風が少し冷たくなってきたタイミングで休憩ポイントを出発します。
別のグループのガイドさんが、食べかすを堂々と投げ捨てていたのには驚いてしまいましたが、気を取り直してホロンボハットへ向かいます。
このぐらいの高さ(3,000m程度)になると、ジャイアントロベリアがちらほら見えてきます。
日本では、まずお目にかかることができないので思わず足を止めて近づいてしまいます。登山道のかなり近くに生えているので、じっくりと観察することができます。
来た道を振り返ってみると分かり易いですが、本当に登っている感じがしません。
膝にかなり優しい、かなりゆったりとした登りがずっと続いていて、辿ってきた道が遠くの方までしっかり見えます。
ずっと先が見えるからこそ、今日の目的地の遠さも実感してしまいます。
実はこの辺りからでも、ホロンボハットの電波塔の先っぽがうっすら見えるのですが、まだまだあり得ない程遠いことを実感してしまいます。
幸い雨は降りそうで降らないので、足早に進んでいきます。
標高は3,000メートルを超えましたが、非常になだらかな登りをずっと進んできたので、高山病等の症状はありません。人によってはホロンボハットあたりから症状が出るので、警戒する必要があります。
もうすぐホロンボハットです。富士山並みの標高にいるので、ちょっとした登りでも早いペースで登ってしまうと息が上がります。
そして、あの山肌の先に・・・
ホロンボハットが見えてきました。
今回の行程の中では、一番大きな宿泊地となっていて、ここで2泊して高度順応するトレッカーが多いです。
ホロンボハット到着
12時2分、ホロンボハットに到着しました。標高は3,720メートル、次の宿泊地であるキボハットまでは9キロメートルで、所要時間は5時間と書いてありますが、この5時間はだいぶ健脚者向けのタイムだと思います。
まずは、ガイドさんが受付に向かって手続きをしてくれます。
ここでは、登山口のマラングゲートで書いた内容と同じようなものを紙に書いて、受付を済ませます。
ダイニングは2か所あり、どちらもこんな感じの内装となっていて、昼時は賑わっています。
なお、居心地はいいですが、床をネズミが這い回るときがあるので苦手な方には苦しいかもしれません。
泊まる場所は、こんな感じでしっかりした外観となっています。内装はマンダラハットと殆ど同じです。
こういったものが20棟くらいあるので、ホロンボハットは広く、下りでも利用させていただきます。
しばらくゆっくりした後、夕方に明日向かう方向を眺めます。
緩やかな登りがずっと先まで続いていますが、キリマンジャロの頂上は全然見える気がしません。
18時をすぎると、日が沈んで辺りも暗くなってきます。
12時に到着してから、雨が降ったり止んだりを繰り返していましたが、下界の方では天気の崩れはなかったらしいです。それにしても、アフリカの大地に立っているだけでもテンションが上がりますが、こうして日の入りを見ていると本当に穏やかな気分になります。
この日は行動時間よりも、ホロンボハットに居た時間の方が長かったですが、全然退屈することなくダイニングで会話したり、周りの景色を楽しんだりと、非常に充実していました。
1日の最後に、ホロンボハットから下の方を見ると、薄くモシの明かりが見えます。
ボーっとしているだけでも、陽気なアフリカの方は「Jambo!How are you?」と声をかけてくれます。
どうやら、「Jambo!」の後には「How are you?」と聞いてくれる人や、「Jambo!Jambo!」と2回続ける方もいて面白いです。
翌日は、標高4,000メートルを超えキボハットまで向かいます。
本格的に高山病をケアしないといけない環境となるため、十分な睡眠をとって、明日に備えます。