【キリマンジャロ③】アフリカ最高峰キリマンジャロ! 標高4,000mを超えてキボハットへ

キリマンジャロ登山3日目、前回はホロンボハットまでの道を記録していきました。

ここまでは天候こそ安定しないものの、体調は良くペースも比較的早めに目的地まで辿り着くことができていました。そして、ここから先は標高4,000メートルを超え、4,720メートルに位置するキボハットまで向かいます。

この先は高山病との戦いとなります。これまで以上にポレポレ(ゆっくりゆっくり)を意識しながら、気合を込めてスタートです。

目次

ホロンボハットをスタート

1月21日、午前7時5分です。

ホロンボハットのダイニングから外を見ると、雨が降っています。朝から何とも言えない天気ですが、今日は更に標高を上げるので、その分天候の不安定さが増していきます。

朝食を済ませたら、ザックカバーと上下のレインウェアを装備しましたが、一時的に雨風が強くなってしまったので待機時間を挟み、出発したのは8時過ぎとなりました。

8時20分、ホロンボハットをスタート。スタート直後にホロンボハットを振り返ります。

次にホロンボハットへ戻ってくるのは2日後、登頂できようができまいが、またお世話になる場所なので一礼していきます。

雨が少し降っています。キナバル山のときもそうでしたが、ガイドさんは傘をさして雨を避けています。

行き先の方を見てみます。まだキリマンジャロの主峰を拝めていませんが、その分お目見えした時の楽しみが増していきます。

あの分厚い雲の先に待っているピークのために、ゆっくり足を進めていきます。

植物を見ても、先ほどよりも背の低い植物が増えてきて、更に高原っぽさが出てきました。

奥の雲が少しだけ薄くなり、そこからキリマンジャロの主峰と思われる山肌が出てきたとき、心の中で「オーッ!」と叫び散らかしてしまいました。

絨毯のような草原が広がって、一気にワイルドな雰囲気になりましたね。

落ち着いていられない程テンションが上がりますが、晴れていれば・・・という気持ちにもなります。

急に雲が掃けたと思ったら、僅かですがキリマンジャロの雄姿が顔を出しました。

広大な平原の先に、巨大な山塊が出てきた瞬間、闘志が湧いてきます。ただ山を見ただけなのに、これほどまでパワーを貰えたことはありません。

七大陸最高峰の一角、アフリカの頂上が視線の先にあると思うだけで気持ちが昂ぶります。

頂上はすぐに雲に隠れてしまいました。

一瞬だけでもその姿を見られたことに感謝しつつ、先に進んでいきます。

この日も、行程はかなり平坦で登っている気がしません。

本当に少しずつですが、この日も1,000メートルほど標高を上げてキボハットに進みます。

それでも平地のような感覚で歩こうとすると、息が上がって高山病の心配が増えます。楽な道だろうが、ポレポレ(ゆっくりゆっくり)を意識しながら進んでいきましょう。

9時35分、「LAST WATER POINT」です。名前の通り、水を調達できるのはここが最高点です。

この辺は流れている水が多いので、煮沸することで使えます。

奥にはベンチやトイレもあり、休憩スポットでもあります。

休んでいると、頭を痛そうに抑えながら下ってくるトレッカーがおり、この先は更に慎重を期する必要があることを実感しました。

キボハットへの後半戦

さて、キボハットへ向かうべく体力を満タンにしてからゆっくり歩きます。

マンダラハットやホロンボハットで一緒だったドイツ人のトレッカー、大人数でにぎやかに登っていた韓国人のパーティ、屈強な体躯を誇っていたカナダ人のトレッカーなど、いろんな人に会ってきましたが、この日は誰にも会っていません。

やはり高度順応のためにホロンボハットでもう1泊している方が多く、順応せずに登っている私のようなトレッカーは割と少数派な気がします。そのぶん、いつもの3分の2くらいのスピードで、一歩一歩を噛みしめるように進んでいます。

ちょっと下る必要があります。ここまで来ると植物は大幅に減り、荒々しい景色が広がっています。

上から見下ろしていることもあり、かなり広大な風景に感動して思わず足が止まってしまいました。

よく見ると、この先の道が一本の筋になって先に続いています。

これまでとは全然違った雰囲気で、荒涼とした広い大地を歩けるワクワク感が抑えられません。

非常に歩きやすい道ですが、ここは標高4,000メートルの世界。

逸る気持ちとは裏腹に、意識してゆっくり歩く必要があるので若干もどかしい気分です。

ポーターさんは、荷物を運びながら早歩きのペースでスタスタ抜かしていくので、格の違いを見せつけられます。

この辺りで南の方から冷たい風が吹きつけてきたかと思えば、視界が全くなくなるほどの深い霧、そして雨・雪へと変わっていったので、キボハットまで写真を撮影することができませんでした。

キボハット到着

12時7分、標高4,720メートルのキボハットに到着です。

ここに到着するまで、降る雪が横に流れていくほど強い風が吹きつけていたため、ペースは著しく落ちてしまいました。ただ、そのおかげで意識せずともゆっくり進むことになったため、頭痛など高山病の症状は出ていません。

その代わり、どんなに寒くて喉が渇いていなくても意識的に水を補給することが大事で、これが結果的に高山病にならなかった一番の要因かなと思いました。

キボハットに到着してからは、雪や風の強さが多少マシになってきました。

ただ、ホロンボハットまでとは寒さのレベルが全然違います。動いていないと本当に寒いです。

ここでのレイヤーは、

・アンダーウェア

・ミドルウェア×2

・ダウンジャケット

・レインウェア

・バラクラバ

という感じで、加えてアルパイングローブも必要に応じて着用しました。

時間が経つにつれて寒さも厳しくなってきたので、キボハットをうろうろすることなく建物にこもって準備を進めようと思います。

キボハットは、これまでのマンダラハットやホロンボハットと違い、10人くらい寝られる部屋にテーブルと2段ベッドが並んでいます。

この日は、ここで仮眠をとったうえで夜中の23時半に出発のための準備、そして日付が変わる午前0時に出発というスケジュールです。

ここではオーストリアの方、カナダの方、フランスの方など、色んな国籍の方と交流ができ、全員が明日のウフルピーク登頂を目指していたため、お互いに健闘を祈ったうえでじっくり休みをとります。

この日の行動時間自体は4時間程度だったため、あまり体に疲れはなかったものの、0時スタートという不規則なタイミングになることや、そもそも明日の行動時間が12時間を超える予定のため、一刻も早く体を休めたい気持ちがありますが、翌日のアタックザックに荷物を詰め、シュラフや温かいカイロの準備、濡れたザックカバーやレインウェアをケアした後、やっと体を横にすることができました。

この部屋の皆さんは寝るタイミングがバラバラだったので、結構遅い時間まで物音が響きます。もし耳栓やアイマスクがなかったら寝るのすら大変だったと思うので、それらは絶対持ってきた方がいいです。

いよいよ明日は登頂に向けての正念場、ずっと天気が怪しいので若干不安な気持ちはあるものの、頭はすでにポジティブモードに切り替わっており、楽しみで興奮が抑えられません。

体をシュラフに収めてから1時間は寝られなかった気がしますが、いつの間にか気分が落ち着き、寝ることでアタックに備えることができていました。

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