前回念願のキリマンジャロ登頂を果たし、この日はホロンボハットからキリマンジャロの玄関口、マラングゲートに下山する日です。
下山のみの行程とはいえ、ホロンボハットからゲートまでの距離も割と長い距離を歩くことになるため、疲れたとは言っていられません。
前回の登頂直後から天候がいきなり良化してきたため、この日は最初から穏やかな気持ちで下山することが出来そうです。下山でもポレポレ(ゆっくりゆっくり)は意識しつつ、安全第一で下山開始です。
ホロンボハットからマンダラハットへ
1月23日、午前6時47分のホロンボハットです。
まさか最終日に朝からこれだけ晴れるとは思っていなかったのですが、5日目にして幸先がいいですね。
快晴のホロンボハットから、向こうにキリマンジャロの主峰が見えます。
登りの時は、ホロンボハット内ですら満足に見渡せない景色だったのですが、ここにきて見事な光景を映してくれました。
名残惜しい気持ちはあるものの、予定通り7時半にホロンボハットを出発します。
下りは、登りの時に見えなかった景色の連続となります。
ホロンボハットを振り返ると、快晴の空にキリマンジャロの頭が浮かんでいます。
振り返ってしまうと毎度後ろ髪を引かれる思いになるので、キリマンジャロの主峰を見るのは、これで最後にすると決めて下山に集中します。
見晴らしの良い草原が遠くまで続いており、綺麗な山肌が視界の先に見えます。
昨日までと違い、朝から気温がぐんぐん上昇して暑いです。
マンダラハットからホロンボハットの間は道幅も広く、晴れていれば視界も素晴らしいので、開放的な気分になります。
ただ、暑さには警戒が必要で、つばの広い帽子や日焼け止めは必須レベルです。
下山の途中、水が尽きそうで困っているポーターさんがいたので私たちのパーティで水を分けてあげる一幕がありました。
マンダラハットは遠すぎてこの位置からでは見えません。こうしてみると、本当に緩やかですが傾斜がついているのが分かります。
マンダラハット~ホロンボハット間はだいたい11.5キロメートルの距離があるので、余裕で3時間以上かかる予定となります。
さっき、キリマンジャロの方を振り返って主峰を拝むのは最後にすると決めたのですが、無意識に来た道を振り返ってしまいました。
ただ、もう未練を残すなと言わんばかりに、白い雲がキリマンジャロの主峰を覆っています。
今度こそ振り返るのは最後にして、下山の楽しさを噛みしめます。
下っていくにつれて、段々背の高い植物が増えてきます。
また、ここ数日雨が降り続いていた影響からか、地面がぬかるんでいる箇所も多く、転倒でもしたら目も当てられません。
ホロンボハット~マンダラハット間は、一本しか道が無いと思っていましたが、抜け道のようなものが何か所かあり、ガイドさんは最も状態が良い道を見て進んでいきます。
そのため、登りの方とすれ違う場面が減ります。
森林限界よりも下に行くと、もうマンダラハットは近いです。
この辺りは、まだ鳥や動物の気配はほとんどなく、静寂の中自分の足音だけが響く不思議な感覚での下山になっています。
マンダラハットからマラングゲートへの下山
10時12分、マンダラハットに到着です。
ホロンボハットからは、2時間40分くらいで着いたので、割と早いペースでここまで来ました。
本来の予定では、11時すぎくらいにマンダラハットに到着出来ればいいな、という具合だったので昼食には早すぎます。そのため、ここでは小休止を挟むだけで、一気にマラングゲートへ下ることにしました。
マンダラハットからマラングゲートまでの区間は完全に樹林帯です。
木々や草の翠緑が視界を覆っており、歩いていて気持ちが良いです。
それと同時に、キリマンジャロの旅も終わりが近づいてくる寂しさも感じます。
マラングゲートはもうすぐです。ガイドさんが凄い早さで歩いていくので、振り返る暇もなく後ろをついていきます。
道も起伏の少ない平坦な道が中心なので、ここまで来れば緊張感より安心感の方が強くなります。
たまに登りの方とすれ違いますが、彼らは登り始めということもあって表情が活き活きとしています。
逆に、私が登りの時に下山してきた方々の表情は疲れ切っている場合が多く不安になることがあったので、今の私は疲れを見せないように見栄を張って「Jambo!」と大声で挨拶をすることにしました。
そして、大抵の方は「Congratulation!」と返答してくれるので、正直かなり気持ちが良いです。
そして、ちょうど12時にマラングゲートに到着しました。
比較的早いペースでゲートまで辿り着きました。標準的なペースは、恐らく6時間くらいだと思います。
なお、下山後にベンチに腰掛けていると、現地の方がお土産を持ってきたり、靴を磨きに来たりします。せっかくなので現地の方がおススメしてくれたお土産を購入(40ドル)し、靴も磨いてもらいました(5ドル)。
ただ、お土産については値下げ交渉が基本で、最初はだいぶ高い金額を提示してきます。
それに対して、
「それじゃ買えないから30ドル!」
と、繰り返し言い続けることで、値段を徐々に下げてくれます。
こうして妥協点を見つけて購入すると良いでしょう。
下山した後は、受付に行って下山の手続きをしたうえで、登頂証明書をいただきます。
最後に今回お世話になったガイドのホルソンさん、ポーターのセレさん、コックさん、そして2人のポーターさんに対して、感謝を込めてチップを渡します。
内訳としては、
ガイドさん100ドル
コックさん75ドル
ウェイター兼ポーターさん65ドル
ポーターさん50ドル
といった形で渡しました。
お世話になった皆さんと改めて感謝を伝えたうえでお別れし、モシの宿に戻ってキリマンジャロ登山完遂となりました。
想像以上の降雨や雪に見舞われましたが、それを全て取っ払ってしまうほどの景色と素晴らしい仲間がサポートしてくれたおかげで、最高の思いを味わうことができました。
もちろん、ネパールのゴーキョ・ピークを超えて人生最高標高(5,895メートル)更新です。
キリマンジャロは、行って絶対に後悔しない山だと思います。次に来るときは、ぜひ天気に恵まれた状態で登山できたら良いなと思います。
もちろん今回の登山で満足できましたが、もう一度行きたいと強く思わせる、そんな魅力にあふれた山でした。
ぜひ、アフリカ特有の雄大な景色に興味のある方、七大陸最高峰を一つでも登頂したいと思っている方、キリマンジャロへの夢を持っている方は、ぜひタンザニアに訪れてチャレンジしてみることをおススメしたいです。
1月19日
10:45 マラングゲート出発
12:17 Kisambioni Picnic Site
14:13 マンダラハット着
1月20日
7:28 マンダラハット発
9:50 Whona Ridge
12:02 ホロンボハット着
1月21日
8:20 ホロンボハット発
9:35 Last Water Point
12:07 キボハット着
1月22日
0:00 キボハット発
2:25 Hans Meyer Cave
4:44 ギルマンズポイント
5:20 ステラポイント
6:20 ウフルピーク登頂
6:33 ウフルピーク発
7:08 ステラポイント
7:40 ギルマンズポイント
8:52 キボハット着
9:40 キボハット発
12:28 ホロンボハット着
1月23日
7:30 ホロンボハット発
10:12 マンダラハット着
12:00 マラングゲート着