【燧ヶ岳①】東北最高峰の燧ヶ岳! 神秘の緑が織り成す麗しき尾瀬ヶ原

梅雨明けが待ち遠しい7月半ば、本来ならば別の山に行く予定だったのですが、またしても悪天候でフィールドを変えざるを得ませんでした。

北の方に逃げれば天候はマシなので、今回はずっと狙っていた尾瀬の象徴であり東北最高峰の名峰、燧ヶ岳へ向かいました。

今回はテント泊での山行、鳩待峠から入って尾瀬ヶ原を通り、燧ヶ岳へ向かいます。

そして、同行してくれるのは、双六岳黒斑山の時に共に登ったオシャレな同僚です。

尾瀬ヶ原の美景を思い浮かべながら、いざ出発です!

目次

登山データ

活動時期時間歩行距離累積標高コース定数
2025年7月16日~2025年7月17日(2Days)11時間51分26.8km1226m41

鳩待峠からスタート

7月16日の午前10時40分、ここは戸倉にある尾瀬第一駐車場。

平日ですが、駐車所は半分以上埋まっています。

ここから鳩待峠は、マイカー規制のため乗合タクシーで向かいます。

片道1,300円で、だいたい30分間隔で運行しています。

ある程度人数が集まったら出発するシステムだったので、時間はそんなに正確ではありません。

11時7分、鳩待峠のバス発着所に到着しました。

お手洗いが併設されています。

早く尾瀬ヶ原に行きたい気持ちが抑えられず、お手洗いを済ませたら即出発です。

11時17分、鳩待峠の休憩所です。

食事処やお土産があり、帰りの乗合タクシーのチケットもここで購入します。

尾瀬といえば、この特徴的な看板ですね。

尾瀬は4年前にも訪れましたが、その時は大清水から燧ヶ岳へ向かったので、今回の道は初見となります。

涼やかな樹林帯

さて、まずは尾瀬ヶ原に向かいます。

ここから尾瀬ヶ原までの道は、若干下り気味です。

多くの区間で木道が整備されており、植生が豊富なので道を外れるのは御法度となります。

常に清流の音が響き渡っており、ここのすぐ横を川上川が流れています。

ここ2日間くらい天気が悪く、この日も太陽は隠れています。

今にも雨が降り出しそうな天気ですが、見渡す限りの鮮緑が清涼感を演出しています。

木道は、濡れていると滑ります。

すごく有難いですが、幅はそこまで広くないので余所見して落ちないように注意が必要です。

中には地面から高さがある場所があり、落下すると無事じゃないような場所もあります。

道中はクマベルが設置されています。

尾瀬は普通にツキノワグマの生息地で、過去には人的被害も出ています。

熊鈴なども効果がありますが、グループ行動やゴミの放置を避けるなど、他にも色々対策できることはあるので、熊の生息地では常に気を配りましょう。

この橋を渡れば、山ノ鼻および至仏山荘までもうすぐです。

平日かつ天候はそんなに良くないので、すれ違う人の数はそんなに多くありません。

12時17分、至仏山荘へ到着しました。

かなり綺麗な山荘で、大きい食堂や個室もある客室、風呂や洗面ルームまで完備されていて、至れり尽くせりの山小屋です。

ここから先は、尾瀬の真骨頂とも言える尾瀬ヶ原です。

地味に距離が長いので、ここで十分休息をとり、果てしなく広がる風景のイメージを膨らませます。

この先に広がる景色は、現実とは思えない塵外境が広がっているのでした。

山紫水明の地 尾瀬ヶ原

12時27分、至仏山荘を発ち、尾瀬ヶ原へ向かいます。

この尾瀬ヶ原へのアプローチから、既にワクワクが止まりません。

湿原を彩る爽やかな緑の絨毯が広がっています。

時折吹く風に草が靡く様子を見ると、何となく郷愁に駆られます。

そして、目線を正面に向けてみると・・・

楽園のような風景が視界いっぱいに飛び込んできました。

尾瀬といえば、やはりこの広大な湿原と木道ですね。

そして、遠くに薄く見える山が、今回登る燧ヶ岳です。

後ろを振り返ると、至仏山が聳えています。

この日は学校行事で小学生の児童がグループで尾瀬を訪れていました。

この景色が最高の記憶になってほしいですね!

どこまでも続く美しい湿原に、思わず息を吞みます。

ご覧のように快晴ではないですが、この天気でも満足感が高いのが尾瀬の不思議な魅力ですね。

普通なら、歩いても歩いても景色が変わらない風景は退屈に感じてしまいます。

対して尾瀬ヶ原の木道歩きは、距離が長いのに開放感抜群で楽しい湿原歩きができています。

もちろん、広い湿原には大小さまざまな池が点在していて、清澄な水を湛えています。

なお、尾瀬には尾瀬沼という観光要所がありますが、ここからもっと東にあります。

天気が良ければ燧ヶ岳の山頂から尾瀬沼が見られますが、見られるかどうかは明日のお楽しみです。

尾瀬には多種多様な植物があります。

ニッコウキスゲが可憐に咲いています。

視界のほとんどが淡緑で覆われる中、輝く黄色の花一輪。

これも尾瀬の象徴です。

13時29分、龍宮小屋です。

こちらは予約が必須の山小屋ですので、ここに泊まりたい場合は事前にホームページを確認しましょう。

ここで5分ほど足を休め、今日の目的地である見晴キャンプ場へ向かいます。

忘れがたき理想の楽土

さあ、まだまだこの楽園歩きは終わりません。

だんだん人とすれ違うことが少なくなり、風の吹き抜ける音だけが静かに聞こえます。

CGでも加工でもないですが、現実にしては美しすぎる風景。

尾瀬ヶ原は神々の庭と言っても差し支えありません。

なお、たまに木道が破損しており、注意を払わなければ行けない場所があります。

シーソー状態になっている木道もあり、周りの素晴らしい風景に見とれすぎると、足元を掬われることもあります。

もうすぐ、今日の目的地である見晴キャンプ場に着きます。

あれだけ遠くに見えていた燧ヶ岳が、その巨体を誇示するかの如く、存在感を放ってきました。

見晴キャンプ場

尾瀬ヶ原の北東端、見晴キャンプ場を含む拠点が見えてきました。

あそこには燧小屋、彌四郎小屋、尾瀬小屋、桧枝岐小屋、原の小屋、尾瀬ヶ原第二長蔵小屋があります。

心身ともに満足した旅路でしたが、足と肩だけはテント泊の重い荷物で疲労困憊です。

早くテントを張って休みたいので、燧小屋で受付を済ませて設営の準備にかかります。

ここは見晴十字路、広大な尾瀬の中で最も山小屋の数が集中しています。

この場所から、いろんな場所に行ける選択肢があります。

私たちは明日、見晴新道を経て東北最高峰の燧ヶ岳へ挑戦します。

見晴キャンプ場には休憩所も併設されていて、テント泊じゃない方でも大自然に囲まれながら体を休めることができます。

当然ですが、虫は多いです。虫よけ対策としてスプレーは持っておいた方がいいですね。

テントを張ったら、出入り口とベンチレーターに早速スプレーを吹きかけました。

14時10分、見晴キャンプ場に到着しました。

この日は平日ということもあり、テントは5~6張程度で悠々と張れました。

キャンプ場には、水場とトイレが併設されていて、とても過ごしやすい環境が整っています。

さて、テントを張ったら疲れたので体を休めて明日の準備にかかります。

天気は安定せず、テント設営直後に一雨あり、その後も断続的に強い雨が降ってきました。

夜になってもなかなか降りやまない雨に、燧ヶ岳への登山自体中止するかどうか悩みましたが、東北出身として東北最高峰に再び挑戦したいという気持ちが強く、悩みながら決行することにしました。

その決断が、想像を超える苦難とアクシデントの引き金となるのでした。

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